日本臨床外科学会雑誌
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特発性乳糜胸の1例
榊原 巧関 幸雄矢口 豊久原田 明生中尾 昭公
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2006 年 67 巻 2 号 p. 316-319

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抄録

症例は23歳,女性.胸痛,呼吸困難を主訴に当院を受診した.胸部レントゲン, CTにて多量の胸水を認め,胸腔にトロッカーを挿入したところ1日約1,500mlに及ぶ乳魔の排液をみ,乳魔胸と診断した.原因となる外傷歴,腫瘍などは認めなかった. 10日間の絶食,中心静脈栄養にて経過をみたが軽快せず,また低栄養状態となったため,胸腔鏡補助下胸管クリッピング術を施行した.術後,胸水排液は減少し, 1カ月後には食事摂取によっても乳魔の排出はなく治癒した.その後, 5年間再発を認めていない.乳魔胸は術後合併症を除けばきわめて稀であり,また治療にもしばしば難渋する疾患である.今回われわれは特発性と思われる若年女性に発症した乳靡胸を経験し,胸腔鏡補助下クリッピング術を施行したので報告する.

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