日本臨床外科学会雑誌
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発生の異なる2個の小腸憩室が隣接して存在し,穿孔をきたした1例
浦田 久志坪内 優宜川本 文竹内 謙二本泉 誠
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2006 年 67 巻 2 号 p. 342-345

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抄録

症例は14歳,女児,消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断にて緊急開腹手術を行った.開腹所見ではTreitz靱帯より約100cmの空腸腸間膜側と対側に隣接した2個の憩室が存在し,腸間膜側の憩室穿孔であった. 2個の憩室を含めて空腸部分切除を行った.病理学的検索では腸間膜対側の憩室は粘膜,筋層,漿膜の3層構造を有していた.一方,穿孔をきたした腸間膜側の憩室では大部分の固有筋層が欠如した,いわゆる2層構造を呈する圧出性の憩室であった.すなわち腸間膜対側の憩室は先天的に存在し,腸間膜側憩室は後天的に発生したものと考えられた.腸間膜対側の憩室に炎症が生じ,その炎症が周囲に波及することで後天的な憩室が形成された後,穿孔をきたしたものと推測された.

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