日本臨床外科学会雑誌
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Chilaiditi症候群を伴うイレウスで発症した巨大虫垂粘液嚢腫の1例
佐野 佳彦山川 知洋佐々木 学
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2006 年 67 巻 2 号 p. 360-364

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抄録

今回われわれはChilaiditi症候群を伴うイレウスで発症した巨大虫垂粘液嚢腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は41歳の男性.腹痛,下痢,嘔吐で入院した.胸腹部単純X線検査ではChilaiditi症候群を伴ったイレウス像を呈し,腹部CTでは下腹部に嚢胞性病変を認めた.イレウス管挿入によりイレウスは改善したが,腹部超音波検査で長径13cmの巨大嚢胞がみられ,腹腔内巨大嚢胞性病変と診断し,入院7日目に手術を施行した.巨大虫垂粘液嚢腫と診断し回盲部切除を行った.切除虫垂はサイズ17.2×7.7cmで,ゼリー状の粘液で充満していた.病理組織学的所見では,虫垂粘膜および固有筋層はほとんど消失し,壁は線維化していた.検索した範囲では腫瘍性病変は認められなかった.本症例は移動性盲腸を合併しており,嚢腫の捻転によりイレウスおよびChilaiditi症候群をきたしたと考えられた.

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