日本臨床外科学会雑誌
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ホリナート・テガフール・ウラシルを併用した術前化学放射線療法により組織学的CRを得た直腸癌の1例
山本 秀和金城 洋介加藤 滋清水 謙司小西 靖彦武田 惇
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2006 年 67 巻 2 号 p. 387-391

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抄録

症例は42歳,男性.内視鏡でRs直腸に大きな2型直腸癌を認めた. CTでは骨盤腔に,右尿管近傍への浸潤が疑われる大きな腫瘍を認め,上直腸動脈に沿うリンパ節腫脹も認められたが,遠隔転移はみられなかった. T4N2M0のRs直腸癌であり,剥離面陽性が危惧されることから,術前化学放射線療法を行った.放射線療法は骨盤腔全体に総量46Gy (1日2Gyを23回),化学療法はホリナート・テガフール・ウラシル療法を用い,放射線療法日に合わせて通常量内服した.治療後のCTでは腫瘍は著明に縮小し,リンパ節腫脹も消失,内視鏡検査でも瘢痕潰瘍を残すのみであった.著効と判断して手術を行ったが,摘出標本の病理検査では癌組織の遺残を認めず,組織学的CRであった.局所進行Rs直腸癌に対して,ホリナート・テガフール・ウラシル療法を用いた後前化学放射線療法は有効な治療法の選択肢になりえると考えられた.

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