日本臨床外科学会雑誌
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肝原発腺扁平上皮癌の1例
市川 剛上西 崇弘山本 隆嗣竹村 茂一田中 宏久保 正二
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2006 年 67 巻 2 号 p. 414-418

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抄録

症例は68歳,男性.C型慢性肝炎の経過観察中,右季肋部痛を主訴とし,超音波検査により肝内に占拠性病変を指摘された. AFP, PIVKA-IIは正常範囲内であったが, CEA, CA19-9, CYFRA21-1の上昇が認められた.造影CT像上,辺縁のみが造影効果を受ける径8cmの形状不整な低吸収域が認められ,消化管精査では異常所見がなかったため,肝内胆管癌と診断,拡大前区域切除を施行した.病理組織検査により腺扁平上皮癌と診断された.術後早期の経過は良好であったが,術3カ月後に残肝再発がみられ,術6カ月後に癌死した.一般に肝原発腺扁平上皮癌は発見時すでに進行癌であることが多く,その予後は極めて不良である.本症はC型慢性肝炎を伴うことがあることから,C型慢性肝炎患者において腺扁平上皮癌を含めた肝内胆管癌を念頭に置いた経過観察が必要で,腫瘍マーカーとしてCYFRA21-1が有用ではないかと考えられた.

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