日本臨床外科学会雑誌
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急速な発育進展を認めた大網原発の悪性線維性組織球腫の1例
廣川 高久小林 建司早川 哲史田中 守嗣真辺 忠夫伊藤 誠
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2006 年 67 巻 2 号 p. 462-467

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抄録

症例は69歳,男性. 2004年7月中旬より腹部腫瘤を自覚するも放置,その後全身倦怠感が出現し9月17日当院内科受診,入院となる.血液検査にてCRP 31.6mg/dl,白血球12,800/μlと高度の炎症所見を認めた.各画像診断にて腹腔内の直径約20cmにおよぶ多嚢胞性腫瘤であったが確定診断はつかず, 10月14日手術施行した.手術所見は,上行結腸,胆嚢,肝下面とは剥離困難な大網から連続する直径約30cm大の腫瘍で,離れた大網にも小結節を認めた.胆嚢,肝,右半結腸とともに切除した.術後の病理学的検査にて大網原発の悪性線維性組織球腫と診断された.術後経過良好で, 10月27日退院. 2005年1月15日腹膜内再発を確認,急激に全身状態悪化し1月27日死亡された.病理解剖にて腹腔内腫瘍が穿破し,汎発性腹膜炎の状態であった.肝,肺など遠隔転移はなかった.

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