日本臨床外科学会雑誌
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右大腿部膿瘍をきたした,急性虫垂炎後腹膜穿通の1例
神崎 憲雄石井 俊一
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2006 年 67 巻 2 号 p. 468-472

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抄録

症例は15歳,男性.発熱および右大腿部痛あり.歩行困難となり,当院搬入された.来院時,右大腿部は著明に腫脹し,激しい疼痛あり.さらに右側腹部を中心に圧痛を認めた.腹部CT上,右腎の高さから右後腹膜に膿瘍を形成し,大腿部も膝上まで鏡面像を伴った膿瘍を形成していた.大腿部および背側より後腹膜ヘドレナージを施行したところ,便汁様の膿汁が約1,000ml排出された.腸管が後腹膜への穿孔し,後腹膜および大腿にガスを伴った膿瘍を形成したものと診断し,開腹手術を行った.虫垂先端が直腸右側の後腹膜に癒着,穿通し,後腹膜から大腿へ広範に膿瘍を形成していた.後腹膜を開放すると約500mlの便汁様の膿が排出された.また大腿へは大腿輪にて交通し膿瘍を形成していた.術後は,敗血症性ショックの状態であったが,順調に回復し,後術8カ月後退院となった.早期に診断,開腹ドレナージを施行できたことが,救命できた要因と考えた.

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