日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
嚢胞内容液の腫瘍マーカー(CEA, CA19-9, CA125)が高値を示した後腹膜粘液嚢胞腺腫の1切除例
岡山 順司堀川 雅人中辻 直之辰巳 満俊杉原 誠一
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 67 巻 2 号 p. 478-482

詳細
抄録

後腹膜粘液嚢胞腺腫の1例を経験したので報告する.症例は42歳,女性.主訴は,左下腹部痛および左下腹部腫瘤触知.腹部超音波検査および腹部CT, MRI検査で左後腹膜腔に嚢胞性腫瘤を認め,手術を施行した.摘出標本の大きさは7×6×5cmで単胞性,内容物は,黄褐色透明でやや粘調性の液体であった.病理組織学的には,高円柱上皮で被われた核異型を伴わない粘液嚢胞腺腫であった.また,嚢胞内容液の腫瘍マーカーのCEA, CA19-9, CA125を測定したところ著明な高値を示した.後腹膜粘液嚢胞腺腫は非常に稀な疾患で,本邦で検索する限り8例であった.さらに内容液の腫瘍マーカーの高値を認めた報告は2例にとどまる.後腹膜に他臓器との連続性のない嚢胞性疾患を認めた場合,良悪性の鑑別には,摘出生検以外の手段では困難と考えられる.これらの症例について若干の文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top