日本臨床外科学会雑誌
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仙骨前部epidermoid cystの1例
藤井 雅和平田 健古川 昭一濱野 公一
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キーワード: 仙骨前部腫瘍, 粉瘤
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2006 年 67 巻 2 号 p. 483-487

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抄録

症例は54歳,男性.主訴は下腹部痛. 2005年2月に,左尿管結石症で当院泌尿器科を受診し,その際に施行された腹部CTで,骨盤内腫瘍を指摘された.泌尿器科で,経直腸的に生検を施行された.生検後に下腹部痛を認めるようになった.腫瘍切除の目的で, 2005年4月に当科紹介となった.開腹時所見は,腹膜翻転部が発赤しており,炎症性変化で硬化していた.摘出標本は肥厚した壁に囲まれ,内部には角化物様の物質を認めた.また壁内側は表皮様組織で覆われていた.病理組織学的診断は,角化物と表皮を認め,表皮には毛髪や皮脂腺などの付属器,および軟骨成分などは認めず, epidermoid cystと診断された.術後経過は良好で,術後13日目に軽快退院した.仙骨前部に発生したepidermoid cystは,無症状のことが多く発見されにくいものの,感染や悪性化の可能性があるため,診断後は摘出術を施行するべきであると考えられた.

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