日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
食道,胃,大腸の同時性3重複早期癌の1例
佐伯 俊宏清水 良一前田 祥成
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 67 巻 2 号 p. 488-493

詳細
抄録

同時性に認められた食道,胃,大腸の3重複早期癌を根治的に切除しえた症例を経験したので報告する.症例は60歳の男性で,検診にて便潜血を指摘され,近医受診し,胃内視鏡検査にて,胃癌と診断された.手術目的で当科に紹介された.術前検査として他病変の有無を精査した結果,食道癌および大腸癌の重複が判明した.治療は,いずれも早期癌であり,食道癌と大腸癌に対しては,内視鏡的粘膜切除術を行い,胃癌に対しては,胃全摘術を選択した.組織学的には,各腫瘍とも深達度mもしくはsmの早期癌であり,発生部位と発生時期から同時性3重複癌と考えられた.術後経過は良く,第49病日に退院した.術後2年7カ月を経過した現在,再発を認めていない.食道,胃,大腸の3重複早期癌は1990年から2004年までに本邦報告は,自験例を含め20例であった.癌症例では重複癌を常に念頭においた術前全身精査と術後長期にわたる検査加療が必要である.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top