日本臨床外科学会雑誌
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甲状腺髄様癌を早期治療したde novo発症の多内分泌腺腫瘍症2B型の1例
鈴木 留美川真田 明子尾身 葉子飯原 雅季小原 孝男
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67 巻 (2006) 6 号 p. 1213-1217

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抄録

わが国における甲状腺髄様癌症例のうち,多内分泌腺腫瘍症2B型(multiple endocrine neoplasia type 2B, MEN2B)が占める割合は約3%と報告されている.今回われわれは甲状腺髄様癌発症後早期に外科治療を行い根治できたと思われるMEN2B型の1例を経験した.症例は15歳,男子. Marfan症候群様の体型を呈し,肥厚した口唇や舌の粘膜下神経腫,眼瞼の肥厚外反などからMEN2B型を疑われた.明らかな家族歴はなかったが, RET遺伝子検査で, exon 16 codon 918に変異を認めた.甲状腺右葉に約2.2cm,左葉に0.7cmの腫瘤を認め,血中カルシトニン値は530mpg/ml, CEA値は9.6ng/mlであり,甲状腺髄様癌T2mN0M0 (Stage II)と診断した.褐色細胞腫の発症はなく,甲状腺全摘術,両側頸部リンパ節郭清(D3a)を施行した.病理組織学的検査では甲状腺両葉に髄様癌が多発していたが,リンパ節転移はなかった.術後2年の現在,再発の徴候は認めていない.

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