67 巻 (2006) 7 号 p. 1626-1629
症例は52歳,男性.急性胆嚢炎にて緊急入院となり,保存的治療を施行後に手術となった.腹腔鏡にてアプローチするも横行結腸を損傷したため開腹へと移行し,開腹胆嚢摘出術,横行結腸部分切除術を施行した.術後一過性に胆汁瘻を認めたが, ENBDにて保存的に軽快し退院した.退院後に吐血で再入院し,上部消化管内視鏡での胆道出血と,造影CTなどで右肝動脈に2cm大の動脈瘤を認めたため,術後胆汁瘻に併発した仮性動脈瘤の胆道への穿通と診断した.治療はIVRにて動脈瘤前後の血管を9個のコイルにて塞栓し,その後は症状軽快し退院となった.術後仮性動脈瘤は比較的稀な疾患であるが,ひとたび発症すると重症化し易く,致死率も高いが最近はIVRによる塞栓術にて救命例が多く報告されている.早期の診断が重要であり,肝胆道系の処置や手術後の消化管出血や腹腔内出血には,念頭において診断すべき疾患と考える.