日本臨床外科学会雑誌
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大網成熟嚢胞性奇形腫の捻転の1例
横井 一樹森 俊明完山 泰章伊藤 不二男鈴木 祐一木村 次郎
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2006 年 67 巻 9 号 p. 2220-2224

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抄録

症例は21歳の女性,右下腹部痛にて当科を受診した.腹部CT, 超音波検査にて右下腹部に長径5cmの脂肪成分を主体とする腫瘍を認め,奇形腫を疑った.捻転による血行障害や感染も否定できなかったため,緊急手術を施行した.盲腸の外側に大網に発生した腫瘍を認め,大網を茎として捻転していた.大網の一部を付けて腫瘍を切除した.両側卵巣には異常を認めなかった.病理組織検査にて内部には卵巣白体や毛髪,嚢胞壁には角化成分を認め,成熟した組織からなる成熟嚢胞性奇形腫と診断した.極めて稀な大網成熟嚢胞性奇形腫の捻転の1例を経験したので報告する.

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