臨床血液
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症例
6;9転座を認めた急性白血病の2例
伊藤 敏治陶山 幸二塚原 理歌松岡 弘樹横瀬 紀夫三宅 弘一安 恵美二木 真琴猪口 孝一緒方 清行五味 聖二山田 隆田辺 義博大木 一郎長谷川 節雄檀 和夫野村 武夫篠原 多美子
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1993 年 34 巻 1 号 p. 50-56

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抄録
6;9転座を示した急性白血病の2例を報告し,既報の31例と併せて文献的考察を加えた。症例1, 34歳女性。AML-M1と診断,染色体分析にてt(6;9)(p23;q34)を認めた。BHAC-DMP療法を2コース施行し完全寛解を得た。1年9カ月後に死亡した。症例2, 46歳男性。肺炎,肝障害で入院。RAEBと診断,染色体分析にてt(6;9)(p23;q34)を認めた。3カ月後に急性白血病に移行し,同時に右下腿に白血病細胞の浸潤を伴う広範な皮膚潰瘍が出現した。Ara-C少量療法を4コース行ったが寛解に至らず,続いて行った2コースのVP-16少量療法にて完全寛解となった。4カ月後に再発し敗血症で死亡した。当科の症例と併せた33例の検討では,M1 4例,M2 13例,M4 9例,RAEB 6例 急性骨髄線維症1例である。骨髄好塩基球の増加を認めた例は24例中14例である。初回寛解導入に成功した例は32例中17例であり,平均生存期間は10カ月である。
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© 1993 一般社団法人 日本血液学会
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