1994 年 35 巻 7 号 p. 635-641
1991年1月より92年12月末日までに,中高悪性度非Hodgkinリンパ腫(NHL)初回寛解導入不応6例,再発11例の計17例にpilot studyとしてdexamethasone, etoposide, ifosfamide, carboplatin併用療法(DeVIC)を実施し,顆粒球減少にはG-CSFを投与した。治療は原則として3週間毎に実施した。17例に1∼6コースの本療法を行い,敗血症で早期死亡した1例を除く評価可能16例中6例(38%)に完全寛解を得,4例は部分寛解となり,有効率は63%であった。観察期間中央値15カ月で,完全寛解中に急性単球性白血病を併発した1例を含む7例が死亡し,9例が生存中であり,治療開始1年後の生存率は62.5%, 50%生存期間は15+カ月である。3例に敗血症を認め,うち1例は早期死亡をしたが,他の非血液学的副作用は全般に軽度であった。少数例の検討ではあるが,本療法はADRを含む前治療に不応,および再発NHL症例のsalvage療法としては良好な結果であり,有用性は高いと考えられる。