抄録
症例は51歳,女性。重症型再生不良性貧血の診断にて,2003年1月28日にHLA一致同胞より同種末梢血幹細胞移植を施行した。Day 207にアデノウイルスによる出血性膀胱炎を発症し,adenine arabinosideの投与を開始したが改善がみられず,腎炎へと移行した。Day 228にアデノウイルス関連血球貪食症候群を併発した。経口ribavirin投与後に出血性膀胱炎,腎機能障害のみならず,血球貪食症候群による汎血球減少も改善した。これまで造血幹細胞移植後に発症するアデノウイルス感染症に対しては治療法が確立されていない。示唆に富む症例と考え報告する。