臨床血液
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臨床研究
多発性骨髄腫患者における血清遊離免疫グロブリン軽鎖定量の臨床的意義の検討
清水 一之伊藤 淳治杉浦 勇津下 圭太郎小杉 浩史名倉 英一
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2006 年 47 巻 4 号 p. 303-309

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抄録

今回我々は, 新に開発された血清中に遊離して存在する免疫グロブリン軽鎖 (free light-chain, FLC) を定量するイムノアッセイ法を用いて, 健常人におけるFLC値と, 多発性骨髄腫を中心とするB細胞増殖性疾患患者におけるFLC値を測定した。骨髄腫患者においては治療後のFLC値と従来の方法による免疫グロブリンの測定値の変動を比較することによる効果判定能力の評価, 更に尿免疫電気泳動の結果と比較することによる残存病変の検出能力の評価を行い, 血清FLC定量の臨床的有用性について検討した。
[結論] この検査法は, 尿免疫電気泳動法よりも残存病変の評価に優れ, 且つ, FLCのhalf lifeの短さから, 治療効果と再発を血清免疫グロブリンを定量する方法より迅速に知ることができ, しかも自動分析機を用いて簡便に測定することができる優れた検査法であることが判明した。

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© 2006 一般社団法人 日本血液学会
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