臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
症例報告
化学療法開始後15ヶ月目に多発性肝細胞癌を発症した高齢者急性骨髄性白血病(M4Eo)
中村 信元武市 俊彰山中 千尋七條 加奈高橋 幸志日浅 由紀子松下 隆哉堀内 宣昭玉木 康民木村 成昭藤本 浩史増田 和彦四宮 禎雄
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2009 年 50 巻 11 号 p. 1616-1620

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抄録

72歳男性,平成10年より前立腺癌術後,抗アンドロゲン療法,2型糖尿病の治療中。平成18年5月,急性骨髄性白血病M4Eoを発症。JALSG GML200療法により寛解したが,平成19年1月に再発,CAG療法で5月に再度寛解した。同年8月,地固め療法中に,発熱,右上腹部痛を契機に,多発性肝腫瘍が見いだされた。腹部造影CTでは前期・後期相のいずれも低濃度で,腹部血管造影でもリング状~塊状の腫瘍濃染像を示し,転移性肝腫瘍類似の所見を示した。肝動脈塞栓術を行うも無効で,白血病が再発し,9月に死亡した。剖検で,原発性多発性肝細胞癌と診断した。肝は線維化と著明な鉄沈着が認められ,輸血による2次性ヘモクロマトーシスの所見であった。肝細胞癌の短期間での発症と急激な進展の原因として,続発性ヘモクロマトーシスや男性ホルモンのアンバランス,白血病細胞から分泌される何らかの液性因子などが推定された。

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© 2009 一般社団法人 日本血液学会
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