2015 年 56 巻 1 号 p. 3-8
重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome, SFTS)は,2011年に中国で初めて報告されたマダニが媒介するSFTSウイルス感染による新興感染症である。日本国内でも2013年に初めて患者が確認され,その後西日本を中心に報告が相次いでいる。SFTSは,発熱,白血球減少,血小板減少,出血傾向,血球貪食症候群,播種性血管内凝固症候群などを呈することから,血液内科を受診する機会が多い疾患である。SFTSウイルス保有マダニは北海道も含め日本全土に渡って生息していることから,今後SFTSは日本の全ての地域で発症する可能性がある。SFTSの治療法は確立しておらず,マダニに刺咬されないように注意することが大切である。また,ヒトからヒトへの感染が成立することから,ウイルス汚染物の扱いには細心の注意が必要である。