臨床血液
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ミエロイド系細胞の分化と転写因子
田村 智彦小泉 真一黒滝 大翼
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2015 年 56 巻 10 号 p. 1861-1870

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抄録

造血幹細胞が前駆細胞を経て,同一のゲノム配列を持ちながらも機能の異なる様々な血液細胞に分化するには,転写因子による細胞種特異的な遺伝子発現パターンの確立が重要である。そして遺伝子転座や変異による造血系転写因子の異常は白血病や免疫不全等の疾患を引き起こす。転写研究は,全ゲノムクロマチン免疫沈降シーケンシング(ChIP-seq)やRNA-seq等の網羅的分析技術が集結し,新たな時代に入っている。本総説ではミエロイド系特に単核貪食細胞系(単球・マクロファージや樹状細胞)への分化に焦点をあて,転写因子の働きをクロマチンの観点を含めて概説する。転写因子が協調あるいは拮抗しながらネットワークを構成し,プロモーター遠位のエンハンサー形成や活性化を調節することで遺伝子発現を調節し細胞の個性を決定することがはっきりして来た。

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© 2015 一般社団法人 日本血液学会
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