臨床血液
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特集:血液分野の最新情報2015 ―バイオロジーを中心に(骨髄系疾患)―
急性骨髄性白血病に対する分子標的療法の進歩
冨田 章裕
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2015 年 56 巻 2 号 p. 130-138

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抄録

網羅的遺伝子変異解析の飛躍的進歩により,AMLにおいて反復して認められる多くの遺伝子異常が同定されている。これらの変異遺伝子がコードする変異蛋白や,AML細胞に高発現する蛋白に対する標的治療薬の開発も進んでおり,その一部は既に臨床試験も開始されている。本稿では,AMLにおける遺伝子異常について概説し,現在開発が進む種々の分子標的薬について紹介する。また,現在特に臨床応用が期待されている,FLT3阻害剤(AC220; Quizartinibなど),PLK1阻害剤(BI-6727; Volasertib), IDH2阻害剤(AG-221), XPO1阻害剤(KPT-330; Selinexor)については,それぞれの機序や臨床試験の状況について紹介する。

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© 2015 一般社団法人 日本血液学会
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