2015 年 56 巻 8 号 p. 1053-1058
昨今のシークエンス解析技術の進歩により,末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma, PTCL)においてエピゲノムあるいは代謝経路に遺伝子変異が同定された。なかでも,濾胞性ヘルパーT細胞(follicular helper T cell, TFH)の特徴を呈するPTCLにおいて,これらの変異は高頻度にみられる。また,これらの異常の多くは骨髄系腫瘍にもみられることからから,エピゲノムあるいは代謝経路の異常は,多様な造血器腫瘍を発症させる根源的な異常であると考えられる。これらの異常により腫瘍を発症するメカニズムについては,骨髄系腫瘍において主として解析されており,PTCLにおける解析は現時点では限られている。我々はTET2遺伝子発現低下マウスを解析することにより,TET2変異によるPTCLの発症機序の一つを明らかにした。