2017 年 58 巻 11 号 p. 2256-2260
症例は76歳女性。2011年に直腸がんに対する手術歴ありその後外来で定期的に経過観察されていた。2013年より白血球数の減少が見られ,2015年には貧血の進行も伴っており,精査目的に当院当科を紹介受診した。血液検査で芽球を認めたため骨髄検査を施行したところ,骨髄異形成に関連した変化を有する急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia with myelodysplasia-related changes, AML/MRC)の診断に至った。寛解導入療法を開始したが血球減少期に肺炎と化膿性脊椎炎を発症した。副作用として血球減少の少ないazacitidine(AZA)による化学療法と化膿性脊椎炎の治療を並行して行うことで,寛解状態を維持しながら化膿性脊椎炎を治療することに成功した。血球減少期に化膿性脊椎炎を発症したがAZAは感染制御とAMLコントロールを併行して行う上で有用であった。