臨床血液
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特集:同種造血細胞移植合併症への対策 ―最近の進歩―
移植後晩期合併症対策における長期フォローアップの役割
森 有紀
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2017 年 58 巻 12 号 p. 2450-2460

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抄録

昨今の移植技術と支持療法の進歩に相まって,同種造血幹細胞移植後の長期生存者は確実に増加している。しかし,移植後は長期にわたって,慢性移植片対宿主病や感染症,二次がんなど様々な合併症を発症するリスクが高い。これらは,移植後の生活の質(QOL)を損ねるのみならず,晩期死亡の原因ともなり得る。近年,移植後晩期合併症のスクリーニングとQOLの向上を目指した長期フォローアップ(LTFU)の重要性が認識され,本邦でも,造血幹細胞移植後患者指導管理料の算定,本邦独自のガイドラインの整備,移植後患者手帳の導入などが試みられている。LTFU外来を設置する施設も増え,移植後晩期のサポート体制は今後ますます充実すると思われるが,晩期合併症の克服に向けて最も大切なことは,患者自身の晩期合併症への理解と自己管理の徹底であり,それを実現するための長期的な支援を,医師,看護師およびコメディカルが連携して提供していく必要がある。

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© 2017 一般社団法人 日本血液学会
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