臨床血液
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臨床研究
慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症における炎症性サイトカイン産生
小野澤 枝里香柴山 春奈今留 謙一廿楽 明穂小山 高敏三浦 修新井 文子
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2017 年 58 巻 3 号 p. 189-196

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抄録

慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症(CAEBV)の炎症発症機構を解明するため患者試料を用いて炎症性サイトカイン産生を検討した。患者11名を解析した。患者血清では健常者と比較しIFN-γ,TNF-α,IL-6の濃度が有意に高値であった。患者末梢血単核球ではIFN-γ,TNF-α,IL-6のmRNA発現が健常者と比較し高い傾向にあり,中でもIFN-γが有意に亢進していた。CD4,CD8,CD56陽性細胞分画ごとの解析では,EBV感染細胞分画でこれらのmRNAが高い一方,非感染細胞でもこれらのmRNAの発現は認められた。In vitroでT細胞株MOLT4へEBVを感染させるとIFN-γ,TNF-α mRNAの発現が感染前と比べ亢進した。以上より,CAEBVでは炎症性サイトカインはEBV感染細胞のみならず非感染細胞からも産生されるが,感染細胞ではEBV自身が産生に寄与すると考えられた。

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© 2017 一般社団法人 日本血液学会
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