臨床血液
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症例報告
自己免疫性水疱症および橋本病に合併した後天性血友病A
西浦 伸子氏本 大介藤田 二郎前田 哲生中川 幸延柏木 浩和織谷 健司冨山 佳昭金倉 譲
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2017 年 58 巻 3 号 p. 233-238

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抄録

67歳男性。1ヶ月前から増大する右背部巨大筋肉内血腫,および著明な貧血を認め入院となった。また,10年前より水疱を伴う皮疹を下腿に認めていたが,今回の筋肉内血腫の出現と同時に,全身に皮疹の拡大を認めていた。APTTが119秒と著明に延長しており,第VIII因子活性は1%以下に低下,FVIII inhibitorは153.1 BU/mlと著増していたことから後天性血友病A(AHA)と診断した。皮疹の生検にてC3の沈着を認め自己免疫性水疱症(ABD)と診断,また甲状腺腫大および甲状腺特異抗体を認めたことより橋本病の合併も明らかとなった。遺伝子組換え活性型第VII因子製剤を使用し止血を図るとともに,免疫抑制療法としてprednisoloneおよびcyclophosphamideパルス療法を行いAHAおよびABDの改善を認めた。本症例は橋本病およびABDに合併したAHAとしては初めての報告である。

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© 2017 一般社団法人 日本血液学会
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