臨床血液
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症例報告
心臓浸潤を認めた悪性リンパ腫
寺倉 精太郎隂地 真晃入山 智沙子後藤 辰徳牛島 洋子島田 和之石川 裕一西田 徹也早川 文彦村田 誠清井 仁
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2017 年 58 巻 3 号 p. 239-242

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抄録

心臓浸潤を伴う悪性リンパ腫は,その特殊な発症部位と稀な発症頻度から診断の遅れや治療選択に苦慮することが多い。今回我々は当院で経験された3例の臨床的特徴と治療経過について報告する。症例は32歳,74歳,64歳の男性で,3例とも右心系に心臓病変の主座を認めた。CTガイド下生検および開胸生検を施行し,1例は縦隔原発大細胞型B細胞性悪性リンパ腫,残る2例はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された。3例とも心不全・不整脈の合併を認め,化学療法後の心不全・不整脈等の症状の一時的増悪の懸念から慎重を期して治療強度の低い化学療法あるいはステロイド投与から開始したが,後には治療強度を高めることによって2例で寛解導入が可能であった。心臓病変の存在により心不全および不整脈の合併を認める際は,悪性リンパ腫の可能性も念頭に迅速な画像診断・組織学的検索が必要であり,確定診断後には重篤な合併症なく化学療法が施行可能である。

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© 2017 一般社団法人 日本血液学会
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