2018 年 59 巻 10 号 p. 2189-2194
骨髄腫特異的標的抗原を同定するために,骨髄腫細胞に結合する抗体を10,000クローン以上作製し,その中から正常血液細胞には結合せず,骨髄腫細胞に特異的に結合する抗体MMG49を同定した。このMMG49が認識しているタンパクを同定したところ,不思議なことにリンパ球に広く発現しているはずのインテグリンβ7であった。さらに解析を進めたところ,MMG49は活性型立体構造のインテグリンβ7のみを認識すること,そして,インテグリンβ7は骨髄腫細胞では恒常的に活性化型立体構造をとっているために,MMG49は骨髄腫細胞に非常に多く結合することが明らかになった。MMG49由来のキメラ抗原受容体(CAR)T細胞は,正常な造血細胞を損傷することなく抗骨髄腫効果を発揮した。これらの結果は,MMG49 CAR T細胞療法がMMに対して有望であることを示しているだけでなく,細胞膜タンパクの発現自体ががん特異性を有さなくても,その活性化型構造ががん免疫療法の標的となり得ることを示している。