臨床血液
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58 (EL3-3C)
新規分子標的薬時代の造血幹細胞移植
加藤 光次
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2018 年 59 巻 10 号 p. 2334-2342

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抄録

近年の分子標的薬の臨床開発は著しく,同種造血幹細胞移植(以下,同種移植)の役割も大きく変化した。しかし,分子標的薬のみで治癒を目指せる造血器腫瘍は極めて限られており,同種移植は依然重要な役割を果たしている。今後は,多種多彩な分子標的薬を,多様な同種移植の前後でいかに上手に組み合わせ,治療成績を向上させるかについて,患者毎での対応や臨床試験の開発の中で求められている。そのためにも,分子標的薬を同種移植前後に使用するにあたり,その薬剤が,移植成績を大きく左右するGVHDとGVLといった移植免疫に及ぼす影響を十分に理解しておく必要がある。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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