臨床血液
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症例報告
妊娠中に脾摘および頻回の免疫グロブリン大量療法を要した難治性特発性血小板減少性紫斑病
梶邑 泰子田中 芳紀能野 翔太田中 真由美中邑 幸伸湯尻 俊昭松隈 聰永野 浩昭松隈 知恵高橋 一雅長谷川 俊史谷澤 幸生
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2018 年 59 巻 12 号 p. 2574-2577

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抄録

症例は30歳の初産婦。生来健康で妊婦検診でも異常は指摘されていなかった。妊娠16週に紫斑と血尿が出現し,著明な血小板減少(0.1万/µl未満)を認め当院に緊急搬送された。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断しプレドニゾロン投与やHelicobacter pylori除菌療法を行ったが無反応であった。妊娠18週から免疫グロブリン(IVIg)大量療法を開始し血小板数は一時的に増加したが,妊娠経過に従いIVIgの反応性は低下し妊娠24週に無効化した。妊娠25週に脾摘を行ったところ,血小板数の増加は一時的であったが,IVIgに対する反応は改善が認められた。分娩まで計7回のIVIg大量療法を行い,妊娠34週に選択的帝王切開術で出産した。児も出生時に血小板減少を認めたが一過性であった。ステロイド,除菌療法,IVIg大量療法に不応性の妊娠合併ITPに対して脾摘は有効な治療戦略となり得る。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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