臨床血液
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JSH-ASH Joint Symposium (Symposium 7)
急性骨髄性白血病におけるDNMT3A変異の機能的役割
古屋 淳史黒川 峰夫
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2018 年 59 巻 5 号 p. 602-610

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抄録

DNMT3A変異は正常核型急性骨髄性白血病の20%以上に認められる。近年では,血液学的異常を認めない高齢者にも存在していることが明らかとなっており,前白血病状態であるクローン性造血の形成に関与していると考えられている。DNAメチル化能の低下が主な機能的役割とみなされているが,それ以外の機能についてはほとんど分かっていない。我々はR882変異型DNMT3AがDNAメチル化異常とDNAメチル化以外のエピゲノム異常を引き起こすことを明らかにした。特にDNAメチル化異常以外のメカニズムとして,R882変異型DNMT3Aがポリコーム抑制複合体1との異常な協調関係を介して分化関連遺伝子の発現を抑制することで,造血幹細胞や白血病細胞の分化を阻害することを見出した。本稿では,造血器疾患におけるDNMT3A変異の臨床的特徴および機能的役割に焦点を当てた最近の研究を紹介し,今後の研究課題について概説する。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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