臨床血液
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臨床研究
骨髄増殖性腫瘍症例および健常者を対象にした新規JAK2V617F変異量測定キットの臨床性能試験
桐戸 敬太小池 道明野口 雅章木崎 昌弘杉本 由香片山 直之土橋 史明薄井 紀子小松 則夫
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2018 年 59 巻 6 号 p. 669-674

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抄録

骨髄増殖性腫瘍(MPN)の主要な遺伝子変異であるJAK2V617F変異は,診断上必須であるにも関わらず日常診療で検査することができない。そこで,真性多血症,本態性血小板血症,原発性骨髄線維症と診断された患者および健常者を対象に,Allele-specific定量PCRを測定原理としたシスメックス社JAK2遺伝子変異定量キットの臨床性能試験を実施した。その結果,患者群(n=156)において,試験法と比較対照法(次世代シーケンス法)の測定結果に良好な相関関係が示された(r=0.998,y=1.071x−0.069)。また,健常者群(n=54)のJAK2V617F変異量は,全例が試験法の測定範囲下限0.042%を下回った。以上より,試験法はMPN患者のJAK2V617F変異量を定量的に測定できることが確認された。日常診療におけるMPNの診断に有用な検査となることが期待される。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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