臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
Human parvovirus B19による血球貪食症候群とウイルス性心筋炎を合併した成人の遺伝性球状赤血球症
田中 佑加高橋 康之木村 勇太富川 武樹阿南 朋恵佐川 森彦多林 孝之渡部 玲子得平 道英百瀬 修二田丸 淳一木崎 昌弘
著者情報
ジャーナル 認証あり

2018 年 59 巻 6 号 p. 682-687

詳細
抄録

Human parvovirus B19(HPV B19)は血球貪食症候群(HLH)の原因として知られている。成人の遺伝性球状赤血球症(HS)患者のHPV B19によるHLHを経験した。患者は35歳女性。発熱,下痢を発症し,検査で重度の汎血球減少,中性脂肪・フェリチン高値,末梢血の目視像に球状赤血球を認めた。末梢血のHPV B19の増加,骨髄検査での血球貪食像により,HS患者のHPV B19によるHLHと診断した。これらの症状は保存的加療,輸血により1週間程で改善を認めたが,新たに心不全症状,心エコーでびまん性の壁運動低下を認め,HPV B19のウイルス性心筋炎の合併と診断した。利尿薬による保存的加療で心不全症状は2週間程で改善した。成人のHS患者のHPV B19は稀にHLHを合併し重症化するが保存的加療で改善しうる。しかし,心筋炎の合併を生じる可能性があり,HLH改善後も注意深い経過観察が求められる。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top