臨床血液
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Symposium 9
MDSにおける体細胞変異と予後への影響
吉里 哲一
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2018 年 59 巻 8 号 p. 1078-1085

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抄録

網羅的遺伝子解析技術の飛躍的な進歩とともに,骨髄異形成症候群におけるゲノム異常の解明が進み,スプライシング因子やエピジェネティック制御因子などの変異が高頻度に認められることが明らかになった。これら体細胞変異の骨髄異形成症候群の病型や予後に対する影響も評価されており,スプライシング因子であるSF3B1の変異は鉄芽球性貧血と強く関連し,良好な予後を示す。一方,TP53変異は骨髄異形成症候群の5~10%の症例で認められるが,染色体異常を高頻度に合併し,TP53変異を有する症例の予後は不良であり,同種造血幹細胞移植を実施しても,移植後の早期再発が多く不良な転機を取る。本稿で述べるように変異の予後や治療反応性に対する知見は続々と増えており,今後,骨髄異形成症候群の治療方針決定の際に臨床情報に加えて,ゲノム異常も考慮して判断することが重要になると考えられる。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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