2019 年 60 巻 1 号 p. 51-56
症例は37歳男性,2017年6月に嘔吐,腹痛,下痢を主訴に当院を受診した。血液検査で炎症反応の上昇,CT画像で回腸末端から全大腸にかけて壁肥厚を認め,家族内で感染性腸炎が発生していたこともあり当初細菌性腸炎を疑った。しかしながら抗生剤治療で症状の改善が得られず,第10病日より高熱と腹膜刺激兆候が認められ,両下肢に触知可能な紫斑も出現した。Henoch-Schönlein紫斑病も疑い,メチルプレドニゾロンを開始したところ症状の改善が得られ紫斑も消退した。