2019 年 60 巻 11 号 p. 1544-1549
症例は51歳,男性。9ヶ月前から視野狭窄とうっ血乳頭を認め,症状が進行し脳神経外科に入院した。第1病日よりglycerolとヘパリンロックを開始し,第2病日の頭部MRIで右横・S状静脈洞血栓症を認め,治療量の未分画heparin(UFH)を開始した。第9病日に意識障害と痙攣が出現,第10病日の血小板数は入院前から50%以上の低下があり,ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)による脳静脈洞血栓症増悪を疑いUFHをargatrobanへ変更した。第10病日のIgG抗体特異的抗血小板第4因子/heparin抗体検査(化学発光免疫測定法)は陰性であったが,機能的抗体検査は陽性でありHITと確診した。血小板数回復後にwarfarinへ変更したがPT-INRの調整が困難でrivaroxabanへ切替え,血栓塞栓症の再発や出血はなく経過した。亜急性期HITでのrivaroxabanは,有用な選択肢となりうると考えられた。