臨床血液
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症例報告
臍帯血移植後に多発性脳出血を来したトキソプラズマ関連中枢神経系血管炎
太田 貴徳今永 博奥 誠道楠元 大岳杉尾 康浩田宮 貞史久保 安孝小川 亮介彦坂 健児野呂瀬 一美大野 裕樹
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2019 年 60 巻 2 号 p. 118-123

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抄録

高リスク骨髄異形成症候群の57歳男性に臍帯血移植を施行。Day(D)14に急性graft-versus-host diseaseを発症したためステロイド投与開始し,漸減中のD75にめまいが出現。大脳,小脳,脳幹に多発性脳出血を認め,出血が増大傾向となりD91に脳生検施行。CD3成熟リンパ球の小血管周囲への集簇,リンパ球とマクロファージの血管壁内浸潤を認め中枢神経系血管炎(central nervous system vasculitis, CNSV)と診断。大量ステロイド療法を施行後脳出血の進行は停止したが,D113に嚥下障害が出現し,D128に脳浮腫で死亡。追加検査で脳生検試料中にトキソプラズマDNAおよびその急増虫体が検出されたことより,本症例のCNSV発症の原因としてトキソプラズマの関与が示唆された。稀少疾患のCNSVは急激な経過を辿り,移植後の致死的中枢神経系合併症としての認識が必要であり,トキソプラズマ症を含めその原因解明が予後の改善に重要である。

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© 2019 一般社団法人 日本血液学会
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