臨床血液
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症例報告
左房周囲への腫瘤形成で再発したHHV8陰性primary effusion lymphoma-like lymphoma
堀内 美令中尾 隆文堤 美菜子中舎 洋輔伏屋 帆悠里吉田 全宏吉村 卓朗林 良樹福島 裕子井上 健山根 孝久
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2019 年 60 巻 3 号 p. 218-222

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抄録

Primary effusion lymphoma(PEL)は成熟B細胞腫瘍の稀な一亜型で,腫瘍細胞が腫瘤を形成することなく体腔液中でのみ増殖することを特徴とし,発症にはhuman herpesvirus 8(HHV8)が関与するとされている。一方でHHV8が陰性の体腔液リンパ腫が報告されており,HHV8陰性PEL-like lymphomaと称されている。我々は心嚢液に発症したHHV8陰性PEL-like lymphomaが,寛解を得た4年後に左房周囲に腫瘤を形成して再発した稀な症例を経験したので報告する。症例は74歳女性。心嚢液貯留による心タンポナーデにて入院。心嚢液の細胞診にてB細胞性の体腔液リンパ腫と診断されたが,穿刺排液のみで寛解が得られたため無治療で経過を観察されていた。寛解4年後に不整脈による失神が出現。左房周囲の腫瘤および縦隔リンパ節腫大が指摘され,生検にてびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断。リツキシマブを用いた化学療法により再び寛解が得られた。HHV8陰性PEL-like lymphomaでは排液により寛解が得られたとしても,年余にわたる慎重な経過観察が必要と考えられる。

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© 2019 一般社団法人 日本血液学会
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