2019 年 60 巻 5 号 p. 392-397
発熱,頸部リンパ節腫脹で受診した69歳男性。IgG, IgG4は著明に上昇し,CTで全身リンパ節腫脹,両側涙腺顎下腺腫大,膵体尾部腫大を認め,MRIで膵のソーセージ様腫大を呈し,IgG4関連疾患(IgG4-RD)の臨床所見に合致していた。リンパ節生検では,IgG4/IgG陽性細胞比は40%を超えていたが,拡張した濾胞間領域にIL-6陽性形質細胞の浸潤を認め,組織学的にidiopathic multicentric Castleman disease(iMCD)を含むhyper-IL-6 syndromeの像であった。初期治療であるPSLの内服にて症状は軽快し,低用量で長期寛解を維持している。IgG4-RDとiMCDを含むhyper-IL-6 syndromeとの鑑別が困難であった例を経験し,その骨髄所見も含め,文献的考察を加え報告する。