臨床血液
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特集:臨床医学 ―ゲノム医療の深化と今後の展望2019(骨髄系疾患)―
骨髄異形成症候群およびその関連疾患におけるゲノム異常
牧島 秀樹
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ジャーナル 認証あり

2019 年 60 巻 6 号 p. 600-609

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抄録

骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes, MDS)とその関連疾患である骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(myelodysplastic/myeloproliferative neoplasms, MDS/MPN)は多彩な病型を呈する疾患群で,高頻度に二次性白血病(secondary acute myeloid leukemia, sAML)へ進展する。これまで,MDSとMDS/MPNの病態に関わる,60以上のドライバー遺伝子が報告されている。これらの遺伝子には,1症例あたり平均4個あまりの変異が認められ,変異によりその獲得タイミングは異なる。たとえば,DDX41SAMD9/SAMD9Lの胚細胞変異は,発症のはるか以前の出生時に既に存在する。DNMT3A/TET2/ASXL1の変異は非血液疾患の高齢者の血液中の体細胞変異をもつクローン性造血に認められ,血液疾患発症の危険因子となる。2,000例以上の解析により,MDS,MDS/MPNの発症後はNRASFLT3PTPN11WT1IDH1IDH2NPM1の変異がsAMLへの進展と有意に関連することが明らかとなった。さらには,これらドライバー変異の共存関係には,有意な規則性が認められる。以上のごとく,MDS,MDS/MPNにおける多彩な病型は,ドライバー変異の合併と獲得の多彩なパターンにより説明される。

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© 2019 一般社団法人 日本血液学会
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