2019 年 60 巻 9 号 p. 1070-1074
細胞は,細胞外小胞(extracellular vesicles, EVs)と呼ばれる小胞を分泌することが古くから観察されていたが,近年,それらが,microRNA(miRNA)などの機能分子を内包し,細胞に取り込まれて,それらを細胞で輸送することから,“細胞間コミュニケーター”として働くことが明らかになり,注目を集めるようになった。エクソソームはEVsの一種で比較的サイズの小さい小胞に分類されるが,EVsの中では比較的研究が進んでいる。エクソソームの分泌量はがん細胞において,非がん細胞に比べ著増していることから,診断指標として有用なこともあり,がん分野で研究が進んでいるが,造血システムにおいては,研究が始まったばかりである。著者らはEBV関連リンパ腫においてエクソソームの重要な機能を報告した。本稿においては,それらを含む造血系でのエクソソームの機能と,それらのHBVウイルスを含む疾患に一般化の可能性について述べる。