臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
慢性肉芽腫症に対するHLA半合致骨髄移植後に発症した播種性Aspergillus siamensis
前村 遼若松 学坂口 大俊吉田 奈央唐川 修平小林 正夫亀井 克彦濱 麻人
著者情報
ジャーナル 認証あり

2020 年 61 巻 4 号 p. 327-333

詳細
抄録

症例は18歳男性で,2歳時に慢性肉芽腫症と診断された。適切なドナーがなく,強度減弱前処置の下,母親からHLA半合致骨髄移植を施行した。移植後17日目に生着したが,キメリズムが低下し,96日目にドナーリンパ球輸注を施行した。120日目に急性移植片対宿主病を発症し,ステロイド投与を開始した。173日目に痙攣出現し,脳・肺・腎・前立腺に膿瘍を認めた。脳・前立腺・腎の膿瘍穿刺液からAspergillus siamensisが検出され,播種性アスペルギルス症と診断した。A. siamensis感染症はこれまで報告はなかったが,各種抗真菌薬を併用するも増悪し,239日目に永眠された。移植後の播種性アスペルギルス症は致死的であり,各種抗原をモニタリングしつつ,感染徴候を認めた場合には速やかに適切な検体を採取し,菌種・感受性に則した薬剤の選択が求められる。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top