臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
特集:臨床血液学 ―診断と治療におけるパラダイムシフト2020 (骨髄系疾患)―
急性骨髄性白血病の微小残存病変
多賀 崇
著者情報
ジャーナル 認証あり

2020 年 61 巻 4 号 p. 343-349

詳細
抄録

急性白血病における微小残存病変(minimal(measurable)residual disease, MRD)は,血液学的寛解にある患者の残存白血病細胞をマルチパラメーターのフローサイトメトリーや様々な分子学的手法により示すものである。MRDは今や急性骨髄性白血病(AML)治療開始後の独立した予後因子となり,これまで用いられている臨床的,分子生物学的データともども重要なリスク層別化因子となりつつある。一方,どのポイントでMRDを測定するのがよいか,適切な基準値は何か,骨髄血か末梢血のどちらがよいか,様々な研究室で行われているものをどう標準化するかなど多くの問題をかかえている。本稿では,AMLにおけるMRDの測定方法,臨床的意義,MRDを指標とした治療などについて解説する。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top