2020 年 61 巻 9 号 p. 1013-1017
2013年,我が国の複数の大学において実施された高血圧治療薬に関する臨床研究論文が撤回されるという事例が生じた。当該事例を契機に,我が国の臨床研究の実施体制や研究倫理体制と並んで,利益相反管理体制の強化が要請された。そのような中,2017年4月に成立した臨床研究法では,臨床研究を実施する研究者に利益相反管理義務が課せられている。利益相反管理は,産学連携活動が社会,患者,被験者からの疑念や誤解が生じないよう予防・回避するという意義はもちろん,最先端の研究を守るという要素を多分に持つ。利益相反管理の必要性や目的を振り返りながら,研究の種別や論文投稿時に研究者に求められる利益相反管理の在り方を紹介していく。