臨床血液
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症例報告
発症時severe acute respiratory syndrome coronavirus-2(SARS-CoV-2)PCR陽性を認めた急性白血病に対する治療経験
—症例報告と文献検討—
大中 貴史大塚 泰幸宮川 直人小倉 愛子岩井 文絵米澤 昭仁
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キーワード: COVID-19, Acute leukemia, Chemotherapy
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2021 年 62 巻 11 号 p. 1604-1608

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抄録

Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は急速に全世界に拡大している。今回我々は白血病初発時にSARS-CoV-2 PCR陽性の急性白血病を2例経験した。両者ともにCOVID-19の重症化を認めることなく,通常の化学療法を実施することができた。造血器疾患の診療に関するSARS-CoV-2の影響は不明確であるが,我々の治療経験からは,急性白血病に対する寛解導入療法は大きな問題は起こらず実施可能であった。COVID-19の収束は現時点では見通せず,今後の急性白血病に対する治療方針決定においては,同様の症例のさらなる蓄積が必要と考えられる。

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© 2021 一般社団法人 日本血液学会
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