臨床血液
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Women Doctors Symposium
慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症の克服を目指して
新井 文子
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2021 年 62 巻 7 号 p. 835-845

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抄録

慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症(CAEBV)は,持続する炎症症状に,EBVに感染したTもしくはNK細胞の腫瘍性増殖を伴う進行性の疾患である。EBV感染腫瘍細胞を除去し得る有効な薬物治療法は未確立で,現在の唯一の根治療法は同種造血幹細胞移植である。これまでCAEBVの報告は日本を中心とする東アジアに限定されてきた。しかし2017年に改訂されたWHO造血器腫瘍分類にT, NK細胞腫瘍として記載された後,CAEBVは世界的に注目され報告が増えている。私達はCAEBVのEBV感染腫瘍細胞でSTAT3が恒常的に活性化し,細胞の不死化と炎症性サイトカインの産生に関与することを見出した。その知見に基づきSTAT3を阻害するJAK1/2阻害剤,ruxolitinibの効果を検証する医師主導治験を2019年1月から開始した。CAEBVの病態解明,診断法,治療法の開発が,本邦の研究者に期待されている。

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© 2021 一般社団法人 日本血液学会
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