2023 年 64 巻 5 号 p. 331-337
実臨床におけるB細胞性急性リンパ芽球性白血病に対するキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞製造成否の状況を明らかにするため,tisagenlecleucel(tisa-cel)製造を実施された81症例を解析した。アフェレーシス時年齢中央値は13歳(1~25),男性47例(58.0%),前治療数の中央値4(1~9),同種移植歴とinotuzumab ozogamicin,blinatumomabの使用歴は,それぞれ51例(63.0%),26例(32.1%),37例(45.7%)に認めた。アフェレーシス時末梢血芽球比率,CD3陽性細胞数は中央値0%(0~91.5),611/µl(35~4,210)で,出荷されたCD3陽性細胞数は中央値2.2×109個(0.5~8.3)であった。濃厚な前治療歴のある症例が含まれたが,製造失敗は見られなかった。引き続き製造失敗の状況を注視する必要がある。