2026 年 67 巻 5 号 p. 379-385
Epstein-Barr virus(EBV)陽性節性T/NK細胞リンパ腫(EBV-positive nodal T/NK-cell lymphoma, EBV+ nTNKL)は,WHO分類第5版で新たに定義された,細胞傷害性T細胞由来の予後不良な疾患である。我々は,濾胞性リンパ腫(FL)の治療経過中に発症したEBV+ nTNKLの表現型を呈する免疫不全関連リンパ腫の稀少例を経験した。症例は71歳の女性。FL,grade 3Aに対してrituximab併用化学療法を施行したが,再発の経過を辿った。経過中に発熱とリンパ節腫大を認め,腋窩リンパ節生検にてCD3+,CD4+,TIA-1+,granzyme B+,EBER-ISH+の異常リンパ球のびまん性増殖を認め,EBV+ nTNKLの免疫表現型を呈する免疫不全関連リンパ腫と診断した。CHOP療法を施行したが,病勢制御は困難で,診断から5週間で永眠された。本症例は,B細胞リンパ腫の治療経過中に発症した例であり,FLの臨床経過中に急激な病勢変化を認めた場合には,FLの形質転換のみならずEBV関連リンパ腫も鑑別疾患に含める必要があることを示唆する。今後,症例の集積と分子病態の解析により,診断精度の向上と治療戦略の確立が期待される。