林業経済
Online ISSN : 2189-6801
Print ISSN : 0388-8614
ISSN-L : 0388-8614
社会林業に対する農民の認識に関する一考察(論文)
ケニア社会林業訓練計画における女性グループによる小規模苗畑を事例として
山内 弘美
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 56 巻 1 号 p. 1-14

詳細
抄録

社会林業プロジェクトが農民の生活向上に貢献するためには、林業を農業等農民の日常の活動と統合した形で推進することが必要である。そのためには、まず、農民が林業活動を生活全体の中でどのように位置付けているのかを明らかにする必要がある。本稿では、参加型調査手法を用いてケニア社会林業訓練計画が支援していた女性グループによる小規模苗畑の位置付けを経済的・物質的、精神的、及びジェンダー的視点における重要性と資源配分の面から明らかにすることを試みた。小規模苗畑は、主要な現金収入源として、あるいは、自家植栽のための苗木調達手段としてなど小規模苗畑の位置付けはグループによって様々であること、また、社交の場、知識習得の場など精神的な面では共通して重要性が高く認識されていることが明らかになった。今後、社会林業プロジェクトにおいては、各対象における多様な林業活動の位置付けに即した支援を行うことが重要である。

著者関連情報
© 2003 一般財団法人 林業経済研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top