林業経済
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中長期的な国産材需要拡大方策の一考察(総説論文)
製材品に適さない品質の原木を原材料とする木質建材の新たな用途開発に向けて
青井 秀樹五十田 博小林 道和
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2015 年 68 巻 5 号 p. 1-11

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抄録

本論では、まず建設市場の現状と今後の見通しを整理し、人口減少等社会構造の移行期における建築物の在り方について考察した。その上で、政府が進めるコンパクトシティを指向する都市計画の概念を踏まえ、中高層建築物の新規着工や既存建築物の耐震改修をターゲットとした国産材需要拡大方策が効果的であることを指摘した。具体的な方策として、主として製材品に適さない品質の原木を原材料とする木質建材を、中高層建築物の構成部材へ適用すること、および耐震性が不足する既存建築物の耐震補強材として適用することの可能性について検証するとともに、中高層建築物の木造化に向けた現状分析と将来展望を行った。その結果、各方策にいくつかの課題が挙げられるが、木質建材を新たな用途で実用化するまでの試験方法や、実際の建築プロジェクトで適用する際の行政手続きが概ね明確化されていることから、技術開発から実用化までの各課題が解決可能との結論を得た。

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© 2015 一般財団法人 林業経済研究所
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